更新履歴欄

洞窟物語
世界樹の迷宮
セブンスドラゴン
その他二次創作
【更新履歴】
17/2/28 音楽ノート|2015年~今年にかけて録音していたオリジナル曲や、20年前、子供の頃に作った曲など……たぶん30曲くらい追加。

2014年10月3日金曜日

札幌市中央区市電通りの「てまひま」について

先日の「一条まるふじ」と母体の会社が同じらしい、「てまひま」という店がある。
場所も歩いて行ける程度しか離れていないが、一方こちらは市電の停留所目の前、地下鉄出口からも一直線と、少しだけアクセスが良い。

しかし、「てまひま」は初見殺しの感が強い。

いずれの店も「昼はランチタイムをしている居酒屋」になるが、「てまひま」は昼に入ると、すぐに「650円です」と言われる。
店の玄関で、言われる。
定額前金制なので、常に店のお姉さんがレジに立ち、店に入る客ひとりひとりからお金を受け取る。
その後、「新規エーサンでぇーす!」のような声を出し、そのまま客は店内に放り込まれる。

しかし、自席に座って良いわけではない。
店の奥、厨房の付近へと数段の階段を登って行き、更にその奥、お盆を手に取らなければならない。

ランチは「肉」と「魚」の2種類があり、カウンターに並べられたうち、好きな方1皿を取って良い。
取ると、すぐに早口で「オワンヤ?」と聞かれる。
これは、単純に滑舌の悪い「ごはんは?」である。
それでも急に聞かれると困るのだが、ともかく、とっさなもので「はい」としか言えそうにないくらい、虚をついて問われる「Q.ごはん」には、「普通で」か「大盛りで」を答える必要がある。

私の場合はSさんについて行ったから良かったものの、一人で初めて行ったとしたら、訳もわからず席につき、身を縮こませて空腹に耐えるしか無かった所だ。

そして、メインのランチとご飯を盆に乗せた後は、好きな3品を選ぶ。
カウンターの続きには、小鉢に入った5、6種類くらいの料理が並んでいる。
おひたし、つけもの、肉じゃが、杏仁豆腐などあり、好きなものを選んで良い。

これが、どうも初見殺しである。

半田屋のような、取った分だけ金がかかる店はまだ解るのだ。
取った=支払いだし、何品目取ろうが己の空腹なのだし、責任は取れる。
しかし前金を支払っている以上、ルールがあるわけで、何か間違っていれば店員に咎められるのが道理であろう。

目の前には肉料理、魚料理、別に仕切りを設けているでもなく地続きに並べられた様々な小鉢。
肉と魚がトレードオフであり、いずれか一方しか選んではいけない。
小鉢のうち、3品目まで選んで良い。
しかもこれだって、Sさんに聞いて初めて得られた情報だ。
理解はしていても、この「好きな3つの小鉢」を選ぶのに、何か悪いことをしているような、正か否か半信半疑の心持ちになる。

――どうにか全品を選び、席(A3?)につき、食べる。

Sさんは「うん、美味い、今日はあたりでしたね」という。

メインである肉と魚は日替わりで、時々によってメニューが違うのだが、小鉢も相当変わることがあるらしく、常に好みのものがあるとは限らないのだそうだ。
しかし「杏仁豆腐」だけは常に固定メニューとしてあり――

「この前Tさんと、この店行ったんですよ、したっけいいもんが無くて」
とSさんが言う。
“したっけ”は北海道弁で「そうすると」である。
「しょうがないんで、Tさん杏仁豆腐3つ持ってきて。ごはんと肉料理と、杏仁豆腐3つ」
「そういうこともあるんですね」
「なんで、今日はあたりの日です、煮物が美味い」

Tさんは40歳近い独身男性で、背が高く、髪もいつだって「ワイルド」なふうにセットしているおしゃれな人で、且つ冗談を言った後「とかいって、はい」と付けるのが癖の人だ。
そういった人が、あまり好みでない料理を前にして、さんざん迷った末に杏仁豆腐を3つ持ってくる事のある店なのである。

少なくともこの日行った時は、悪くなく、美味しく食べられたものだが、初見殺しを恐れない杏仁豆腐好きは、行って損ではないと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿