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17/2/28 音楽ノート|2015年~今年にかけて録音していたオリジナル曲や、20年前、子供の頃に作った曲など……たぶん30曲くらい追加。

2015年7月19日日曜日

そろそろ「ゆびきりの家」について書くが

今回の記事について、早い話が「期待外れ」だということを書いており、さすがに仕掛けを順を追って丁寧に描写することはないものの、念のため、行く予定がある方はオススメしない内容となります。
すなわち、これから楽しみに行く方にも、これから行くことになっているがたいへん気の進まない方にも、「参考にならない」文章であるとご了解頂きたく存じます。

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7月~8月末まで、札幌市中央区、屋上の観覧車が有名な商業施設「ノルベサ」で、「ゆびきりの家」という特設のお化け屋敷が開催されている。

このノルベサというのが、私にとっては「なんとなくあのあたり」にある建物で、実はよく住所を覚えていない。狸小路より南にあり、南過ぎない程度にすすきのエリアにある。
件の観覧車を目印に、とは思っているのだが、大体すすきのは建物に囲まれながら歩くので、おおむね、道を一本間違えながらたどり着くことになる。

他の札幌市在住者がどうかはわからないが、私にとって、すすきのは観光客と同じように「あのニッカの看板」が中心であり、あの座標を起点にX軸、Y軸におおまかな地理を把握している。

ちなみにノルベサの観覧車には乗ったことはないが、まんだらけが2階に入っているので、その面では重宝する。
それ以外は、地下に、美味い飲み屋のあるらしいほか、特にぱっとしたものはない、という印象だ。

それはよいとして。

「ゆびきりの家」は、なんか、こう、「流行った」らしい、「どこどこで大反響」らしい、体験型とか、新感覚とかいうお化け屋敷だ。
要約すると「ミッションのあるお化け屋敷」で、ただ暗い屋敷に入って驚かされるのではなく、用意されたストーリー通りにある約束事をこなさないといけない、というものだ。
それがこの場合、「死んでなお成仏できないアヤコさんが屋敷にいるので、指切りをしてくる」という内容である。

だからちらしには、「ただびっくりするだけじゃない――」新感覚なものなのだ、と書かれている。

さて、これに行ってきたものだ。
8月末までやっているというのでできるだけネタバレは避けたいが、ざっくりと思ったことを言うのなら、あれは動機づけのある、「ただびっくりするだけの」お化け屋敷だ。

結局、びっくりする以外の仕掛けはなく、しかも用意された筋書きは、ストーリーと名乗れるほど大仰ではない。それをいうなら普通のお化け屋敷にお菊さんが出るのだって、播州皿屋敷というストーリーがあるといえる。

ただ、もちろん屋敷の中でやらなきゃいけない事がある、というのは全くの効果なしではない。
怖いものの羅列を眺めに行くのでなく、自分がお化け屋敷にいなければいけないという理由づけが生まれる。絶対怖い事が起こるのは解っているのだが、体験しにいかねばならない理由が生じる。
それ自体は確かにミッションのないお化け屋敷では発生し得ぬことだし、しかも「ゆびきり」という、遊び・契約・コミュニケーション・関連語句に残酷な風合いを含みうるチョイスはうまい。

それは、ツカミとしては、うまい。

ストーリーは孤独な人生を送り、孤独に死んだかわいそうなアヤコは今も成仏できずに、ゆびきりの相手を待っている。彼女とゆびきりをしに行ってほしい――なのだから、目的含め咀嚼・理解がしやすい。
だから、確かに、行列ができている。

それなのに――このお化け屋敷に入り、ゆびきりをし、出た後も、そのお話に決着はつかない!
アヤコは成仏しないし、幽霊は工夫無く手を広げて出てきて引っ込むし、屋敷内では無関係の人間が首を吊っている!
アヤコ以外、お前ら誰だ!

いやだな、という感じがない。
「どうせびっくりさせるんだろ、いやだなあ」はある。
「あ、これくるな。くるわ。意味ないスペースあるもん。今かな。ここまで来たら? どう? あ、もしかして来なハイ来たぁあああ」ならある。

勿論、お化け屋敷とはそういうものなんだろう。
全員に多少なく一番伝わるのはそれだし、仮に、ストーリーに基づいた何かのアイテムがあるとか、後から「あ、アレはそういうことだったのか!?」と解る味な仕掛けがあったとしても、人によっては気づかないのなら無価値になる。

個人的には「いったん静かに受け入れて怖い」タイプの怖さが好きで、
……例えば直感では「これは異常ないな」と認識できる「鏡の中」がよく見ると現実と異なっているだとか、
……刺殺体の人形でもあって、乾いた血だまりから足跡が続き、自分のすぐ横の納戸の扉に続いていただとか、
そういう、順を追って整理した結果、自分の思考が既にあった怪異に追いつく瞬間が好きなのだが、それはお化け屋敷では通り過ぎる可能性が大変高い。

そもそも「びっくり」というのは、危機に対する反射であり、それでぎゃあぎゃあと騒ぐことは可能だし、「怖い/怖くない」のどちらの箱に入れるかと言われれば、そりゃ「恐い」。

だけどこれは「新感覚お化け屋敷」か?

せいぜいストーリーという名の"フレーバーテキスト"のついた、「客引き営業ありのお化け屋敷」だろう。

これが大反響である限り、まだまだ「いやだなあ」でなく、「いやだな」の新感覚お化け屋敷は一般的に出てきにくいだろうし、ペイにも至らないものであると思う。
 

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